睡眠導入剤の基礎知識

安易な睡眠導入剤使用の危険性

 

 

カリフォルニア大学サンディエゴ校のDaniel Kripke氏が、睡眠に関する研究を行い、人々が睡眠時間を過剰に増やすと、死のリスクが逆に高まるということが分かったそうです。

 

 

その研究では過去6年間、30歳から102歳までの100万人について調査を重ねた結果では、一晩で7時間以内の睡眠時間の人の方が、8時間以上眠る人よりも死亡率が低いというデータが出ているのです。しかしこれは普通に時間以上眠ると危険ということではなく、睡眠導入剤を使用して無理に眠っているのが危険だというものです。

 

 

少し前の調査ですが、2004年の調査結果によると世界での睡眠導入剤の市場規模は約2400億円程度ということで、1カ月に30錠ほど睡眠導入剤を摂取するのは、たばこ1箱を1日で吸いきるのと同じ程度、健康に対する被害があるそうです。

 

 

その結果、睡眠導入剤を使用している人が睡眠中に死亡する割合は大体10から15パーセント増加するそうです。睡眠導入剤を使うというのは、活動状態にある神経を無理に鎮めて睡眠するのと同じような状態に誘導しているわけで、現象としては眠くなるというよりも、神経活動が低下しているだけなのです。

 

 

この無理につくる眠りと同じ状態は、いろいろな副作用も出てきます。最も多いのが起きた直後の立ちくらみなどで、神経が正常復帰しにくくなり、時差ぼけと同じ症状になります。

 

 

そして夢遊状態とか夜間恐怖、ナルコレプシー、更には睡眠時無呼吸症候群にまで至ることもあります。睡眠導入剤による睡眠はこういうことから寿命が短くなるといわれているのです。