睡眠導入剤の基礎知識

短時間作用型の睡眠導入剤

 

 

 

短時間作用型の睡眠導入剤には、チエノジアゼピン系のエチゾラム(商品名はデパス、エチカームなど)、チエノジアゼピン系のブロチゾラム(商品名はレンドルミンなど)、ベンゾジアゼピン系のロルメタゼパム(商品名はエバミール、ロラメットなど)、有機臭素化合物のブロムワレリル尿素(商品名はブロバリン)があります。

 

 

チエノジアゼピン系は超短時間作用型のベンゾジアゼピン系と同一の作用機序で、睡眠導入および筋弛緩作用も併せ持っています。エチゾラムはベンゾジアゼピン系と比較して、強い重量あたりの薬理作用強度を持っており、薬理実験ではベンゾジアゼピン系の5~6倍の作用を示します。

 

 

又、作用開始からの持続が6時間以内という短時間であるというのが特徴で、服用後約3時間で最高血中濃度に到達します。この速度は超短時間作用型の約2倍というところです。強い作用と持続が短いという特性から不眠の際の睡眠導入剤としては広く利用される場面が多く、筋弛緩作用も強いので、肩こりなどの症状に内科などで処方されることもあります。

 

 

睡眠導入剤としては比較的よく使われる存在ですが、抗不安薬としては他のマイナートランキライザーと同様の作用で、作用が強い分連用後の禁断症状も出やすくなります。